軽さは正義
- tokuhata
- 2023年10月5日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年11月18日

登山における撮影機材の小型軽量化は至上命題。前回、撮影機材を紹介しましたが大まかにざっとという感じでした。軽量化作戦継続検討ということで再度、機材のサイズと重さをチェック&見直ししたいと思います。今回の見直し対象は以下の機材です。
カメラ
レンズ
小型軽量化を追求すると性能が犠牲になります。イメージセンサは大きいほうが画質は良くなりますし、レンズは光学性能を追求すると大型化する傾向があります。概ね性能と大きさ・重さは反比例する傾向があります。性能とは以下の要因を含みます。すなわち、カメラでは、画質、速度(連写性能、AF性能等)、耐久性、利便性(持ち運び、操作のしやすさ)、三脚では安定性(風に強い)などです。小型軽量化を念頭に機材選択をする際は性能とのトレードオフになります。
カメラ
まず、選択肢として一眼レフかミラーレスかの選択があります。小型軽量化の観点ではミラーレスが有利です。一眼レフの必然性を主張するのは主に動きモノを被写体にする写真家です。たとえばスポーツ、動物、野鳥などです。理由はファインダーの見やすさとレスポンスです。電子ビューファインダーEVFではレスポンスが遅かったり液晶の粒子が気になったりします。かつては一眼レフのファインダーでなければプロの写真家の要求を満たすことは困難でしたが最近のミラーレスではこの問題は解消されつつあります。登山では動きモノを撮らない限り、主な被写体は動かない山ですから小型軽量なミラーレスが有利になります。
イメージセンサのサイズに関しては意見が分かれそうです。私は主にフルサイズを使用しています。理由は星空撮影にも使うからです。とはいえ、最近のマイクロフォーサーズの画質は星空にも十分使えるレベルになりました。実際、プロの星空写真家でもマイクロフォーサーズを使っている方がおられます。比較すればフルサイズが優れていることは間違いないので機動性と画質を天秤にかけ、どこで妥協するかという選択になります。妥協点の設定要因は人それぞれでしょう。私の場合は以下の要因です。
重要な要因
8Kタイムラプスが撮れること:8Kには画素数3,300万画素以上必要です。
高感度特性:登山が主目的で考えていますが星空撮影も行うため、特に暗所での高感度特性は重要です。一般的には画素数が上がると高感度特性は悪くなります。
手振れ補正:タイムラプス撮影では三脚を使用するのが大半なので必要ありませんがスチルの場合は手持ちでも撮るので高性能が望ましいです。
重要ではない要因(山岳写真、星空写真には必要ない要因)
高速連写
被写体認識・高速AF
細かい仕様の話はさておき、カメラ本体の重さを比較してみます。対象はミラーレスのみです。代表的メーカから3,300万画素以上で検討対象になりそうな機種の重さを比較してみると以下の通りです。各社フラッグシップ機は高価格かつ上記の重要ではない要因に関してオーバースペックですので除いています。バッテリーとメモリーカードを含む重さです。太字は私が使っているカメラです。
Sony α7RⅢ 4,240万画素 約675g ←メイン機として使用
Sony α7R V 6,100万画素 723g
Nikon Z8 4,570万画素 約910g
Nikon Z7Ⅱ 4,575 万画素 約705g
Canon R5 4,500万画素 約738g
しばらくはソニーを使うつもりです。別記事で述べましたが現時点では6,000万画素以上の機種を導入する予定はありません。また、現時点でフルサイズ以外をメイン機にする予定はありませんが以下は参考まで。センサーサイズが小さくなるとレンズも小型化できるので効果大ですが…
APS-C
Fujifilm X-H2 4,020万画素 約660g ←2023年10月現在APS-Cで唯一8Kが撮れる。
Canon EOS M6 Mark II 3250万画素 約408g
Nikon Z50 2088万画素 約450g
Sony α6600 2420万画素 約503g ←サブ機として使っています。
MFT: Micro Four Thirds
OMDS OM-1 約2037万画素 約599g
レンズ
まずズームレンズ。以下は私が使っている(いた)レンズです。
Sony Eマウント
FE24-105 F4 G OSS 663g ←星空以外ではよく使う
Vario-Tessar 16-70 F4 308g ← サブ機α6600用
Sigma Eマウント
14-24 F2.8 DG DN Art 795g ←画質は素晴らしい。重い、最近処分した
24-70 F2.8 DG DN Art 830g ←画質は素晴らしい。重い。
シグマArtレンズは画質が素晴らしいですがソニー製レンズに比べると重いです。以前14-24 F2.8 DG DN Artを所有していましたが重いので稼働率が上がらず、単焦点レンズ購入時に下取りに出しました。24-70 F2.8 DG DN Artも所有していますがやはり重いので将来的には変えるかもしれません。例えばFE24-70 F2.8 GMⅡ(695g) に変えると135g軽量化できます。チリも積もれば…ですので登山では100gでも軽くしたいところです。F4にするとさらに軽くなりますが星空も撮るためにはF2.8以下が必要です。
登山に持っていく単焦点レンズは以下の通りです。全部持っていくわけではなく目的により選んで持っていきます。
LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer 350g
LAOWA 12mm F2.8 Zero-D 610g
Sony 14mm F1.8 GM 460g
ZEISS Batis 18mm F2.8 330g
LAOWA 15mm F4 WIDE ANGLE MACRO 410g

写真:左から9mm, 12mm, 14mm, 18mm
ズームか単焦点か、という選択は個人的な好みが分かれそうです。単焦点は小型軽量、明るいですが、ズームで複数の画角をカバーするか単焦点で決め打ちするかという選択になります。個人的には単焦点派です。特に広角側は手前の被写体との位置関係で調整する場合が多いので足で移動することにより対応可能なことが多いです。一方望遠側は被写体が遠いのでこの対応が難しいです。したがって、広角は単焦点、中望遠はズームという選択をしています。
余談:
レンズは、同じシリーズで見ると新機種になるたびに性能(画質、手振れ補正、オートフォーカス)は向上し、かつ軽量化される傾向があります。余談ですが技術の進歩と軽量化の例を示します。登山には使いませんがヨンニッパです。
EF400mm F2.8L USM (1991年発売) 6,450g
EF400mm F2.8L IS III USM (現行機種)2,840g

写真:初期型のEF400㎜。現行機種を並べて比較したいところですが現物がない。
技術の進歩はすごいですね。3分の1とはいきませんが半分以下の軽量化です。現行機種はヨドバシで約170万円、価格は重量級です。
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