ソニーEマウントはαシリーズのアキレス腱か
- tokuhata
- 2022年1月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年11月13日
ミラーレスカメラ市場で圧倒的な強さを誇ってきたソニーですが2021年はその流れに変化が感じられた年でした。キヤノンがR3、ニコンがZ9を発表しましたがその仕様はソニーのα1に勝るとも劣らないものです。さらにRFマウント、Zマウントのレンズが続々登場しています。それぞれ特徴があるので単純比較はできませんが、キヤノン、ニコンの本格参入によりフランジバックが短いというレンズ設計上のメリットを全員が共有することになりソニーの優位性が薄くなった感があります。今後、小さいEマウントをベースにするソニーが苦境に立たされるという見方があります。詳細はすでにあちこちで指摘されているので省略しますが、明るい大口径レンズや手振れ補正の設計においてマウントが小さいことは設計の困難さという意味でかなり不利になります。明るいレンズの代表格FE50㎜ F1.2 GMを見るとニコン、キヤノンに負けているという評価が多いようです。手振れ補正もソニーはキヤノン、ニコンに比較してスペックは低く、無理に使うとケラれるという指摘があります。
私自身は先ごろ天体撮影でEマウントの弱点を実感することになりました。彗星の撮影で天体望遠鏡による直焦点撮影を行ったのですが4隅をかなりケラれてしまいました。現場で背面液晶を見ても気が付かなかったのですがPCで見るとかなり大きなケラレです。最初は鏡筒とカメラの間にあるアダプタの問題かと思ったのですがどうやらEマウントの小ささが原因のようです。ネットで検索してみると同様の問題が指摘されています。天体望遠鏡との組み合わせで使う人は多くないかもしれませんが個人的には気になる問題です。天体望遠鏡との組み合わせではソニー以外を考えざるを得ません。
さて、ここまでEマウントの問題点を述べましたが今後ソニーが苦境に立たされるかというと必ずしもそうは思いません。Eマウントに関してはソニーの設計者も本音では厳しいと感じているのは間違いないでしょう。特にレンズ設計に関してはキヤノン、ニコンに対して不利になることは否めません。とはいえソニーのミラーレスは小型軽量を特徴として、性能面と耐久性の一部を犠牲にしつつも実績を伸ばしてきました。そしてソニーの強みはビデオカメラや放送機器を含む映像関係の総合的なフレームワークです。性能面では小さいEマウントは不利ですが小型軽量のメリットは依然として大きいと思います。性能優先か小型軽量化優先かのトレードオフで後者をとっているユーザは多いと思います。一方、小型軽量化のメリットより性能面のハンデのほうが大きいとメーカーが判断にすればマウントの仕様を見直す可能性はあります。今後の展開は予想が難しいですが2022年以降何らかの方針転換の可能性はありますので注意深く見守りたいと思います。

Source: Sony
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