カメラ任せのオートホーリーグレイル撮影~ソニー編
- tokuhata
- 1月12日
- 読了時間: 3分

タイムラプスの世界では昼から夜、あるいは夜から昼への、明るさが大きく変化する時間帯のタイムラプス撮影をホーリーグレイルと呼びます。ホーリーグレイル(英語:Holy Grail)とは本来の意味はキリスト教の儀式である聖餐に用いられる杯です。神秘的なオブジェクトの象徴であり、転じて、非常に貴重な物、困難な探求の対象、至高の目標を表すためにも使用されます。タイムラプス撮影においては技術的に困難であることからそう呼ばれます。
以前はタブレット端末に専用アプリをインストールしてホーリーグレイル撮影の露出制御を行っていました。具体的にはqDslrdashboardというアプリをSony のタブレットExperiaにインストールし、カメラはCanon 6Dを使用していました。
その後、メインカメラをSony αシリーズに変えたのですが、qDslrdashboardとの接続がうまくいかず、アプリでの制御をあきらめてマニュアル制御(シャッタースピードとISO感度を手動で調整する)で対応していました。
さらにその後、Nikonの機種ではこのホーリーグレイル撮影をカメラ任せで行うことができることを知りました(文末のリンク参照)。Sony機ではできないものか、機種が違えば設定メニューが異なるので同じにはなりませんができるだけ同じ条件で試してみました。試した機種はα7SⅢ、α7RⅢ、α6600。設定条件は3機種共通です。レンズの明るさと焦点距離を考慮して決めます。以下は24mm F2.8の例です。
撮影モード:絞り優先AUTO(Aモード)
カラーバランス:太陽光またはK温度マニュアル設定(AUTOにしない)
インターバル撮影:ON
インターバル10秒:インターバルは後述のISO低速限界プラス2秒です。
撮影枚数:300コマ(10秒タイムラプスの場合)
ISO感度:AUTO、上限値6400、下限値100
ISO 低速限界:8秒。シャッター速度の上限です。以前は500ルールが一般的でしたが最近は高画素機が増えたので200ルールを目安にしています(焦点距離*シャッター速度<200)。
参考クリップ、カメラ:Sony α7RⅢ タイムラプス編集:LRTimelapse
ISO AUTO 低速限界とは、Aモード、PモードにおいてカメラのISO感度を自動で設定するISO AUTOの際に、カメラが自動で選択するシャッタースピードの最低値のことを表します。
ISO低速限界設定する目的
絞り優先モードにおいて、画質を担保したいときやブレを防ぎたいときに使用する機能です。露出の決定制御において、シャッタースピードの降下をISO感度の上昇より優先して制御します。暗いシーンではシャッタースピードが低速限界に達した後、ISO感度が上昇します。
何度か実験した結果、ソニーのカメラでも、専用ツールや専用ソフトを使用せず、カメラ任せでできるという結論に至りました。実験した機種は執筆時点で1~2世代前のカメラですから最新機種では多くのカメラで可能だと思われます。
参考サイト
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