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デジタル一眼レフの使命は間もなく終わる

  • tokuhata
  • 2022年8月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年11月12日

 少し前になりますが2022年7月、ニコンが一眼レフカメラから撤退するというニュースがある報道機関から流れました。ニコンはすぐに撤退を否定しましたが「開発を一時停止している」ことは認めました。詳細はそれらのニュースを見ていただくとして一眼レフからの撤退は時間の問題であることは間違いないでしょう。記事のタイトルがやや大げさなこともあり一部に誤解があったようですがカメラから撤退するのではなく一眼レフからミラーレスに主軸を移すということです。ちなみに競合のキヤノンは御手洗CEOが昨年末ある報道機関のインタビューで「デジタル一眼レフの開発や生産を数年後に終了してミラーレスカメラに一本化する」と述べています。こちらも今すぐではなくいずれは撤退するという表明です。ニコンもキヤノンもまだデジタル一眼レフは売れていますが売り上げの主力はミラーレスに移っているので開発リソースをミラーレスに移行するのは自然な流れです。


 技術的に考えてもデジタル一眼レフは過渡的な製品であるといえます。ミラーを置く目的は、レンズから入ってきた光を反射し、さらにプリズムで方向を調整してファインダーへ送ることにより、フイルムに照射される光景を撮影者が同時に確認できるようにするためです。カメラがフイルムからデジタルへ変わったことにより撮影画像はイメージセンサが受けているわけですからミラーで反射してファインダーへ送らなくてもイメージセンサが受けた情報をEVF: Electronic View Finder へ表示すればよいので本来ならミラーは必要ないはずです。実際ミラーレスカメラはそうしています。いまだにデジタル一眼レフが存在しているのはEVFの遅延とEVFの画像品質に起因します。つまりイメージセンサが受けた画像をEVFに表示するには処理時間が必要なので動きの速い動物やスポーツを撮影する人にとってはこの遅延が問題になります。さらにEVFの解像度が低いと画素の粒子が見えてしまい、いかにもデジタル表示された画像に感じられ撮影者は違和感を持ちます。このため報道カメラマン、スポーツカメラマン、動物カメラマンの多くは一眼レフにこだわってきました。Nikon D6 やCanon EOS-1D Xがこれらの分野のプロカメラマンやハイアマチュアに使われてきました。しかし現在のEVFはこれらの問題をほぼクリアしたといってよいレベルに達しています。Nikon Z9 やCanon EOS R3のファインダーは光学ファインダーに匹敵するといわれています。それでも一眼レフにこだわる人々の多くは気分的なもの、例えばFマウントへのこだわり、機械式シャッターの感触など別の理由ではないでしょうか。


 私自身は山岳、天体、風景、マクロなどが主な被写体でありいわゆる動きモノはめったに撮らないですし機材マニアでもないので光学ファインダーへのこだわりは全くありません。現在主に使用しているのはミラーレスです。ミラーがなくなり、シャッターが電子化されることによりカメラは精密機器から電子機器へ変身したといえます。電子機器への変身は同時にコンピュータ化も意味します。今後どこまで進歩するのか気になるところです。


Source: Canon




 
 
 

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