Adobe Firefly (ベータ版)
- tokuhata
- 2023年7月21日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年11月12日
画像生成AIのひとつであるAdobe Firefly を試してみました。Adobe IDを獲得済みであればログインすることによりベータ版が使用できます。基本機能は他の画像生成AIと概ね同じですが注目すべき特徴として以下2点があげられます。
① 著作権問題回避
Fireflyの学習には、Adobe Stockの画像、オープンライセンスのコンテンツ、著作権の切れた一般コンテンツが使用されています。したがって、最近問題になっている、生成AIの学習データのソースに起因する著作権問題の心配がないことが特徴の一つに挙げられています。ただし、現在のベータ版は商用利用ができません。今年度中にリリースされる予定の正規版では商用利用が可能になるとのことです。
② コンテンツ認証情報
コンテンツ認証情報は、コンテンツに関連する編集や制作の詳細な情報であり、コンテンツの信頼性を高めるためのデータです。この情報はコンテンツに一緒に含めるか、専用ツールで検査できます。例えば、Adobe Fireflyで生成した画像にはAIで生成された情報が追加されます。コンテンツ認証情報は、Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)が主導するオープンスタンダードであり、Adobeのコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)が関与しています。情報の一部にはコンテンツの概要、制作ツール(Adobe Firefly)、使用AIモデル、アクションと内容などが含まれます。
さて、法的、倫理的問題はここでは深入りせず別途検討するとして以下では画像生成結果の評価を中心に述べます。ちなみに、過去にMidjourney、Stable Diffusionを試した結果を記事にしているのでそれらとの比較の意味も含めて一部は類似のプロンプトを使用しました。ただし1年前の結果との単純比較はできません。この1年の進歩は著しいのであくまで参考です。
a) まずは風景写真、ヨセミテ:イメージ通りの結果が得られました。ほとんど本物の写真レベルです。参考までに昔撮影した本物の写真も載せます。

a photo of a winter scene of Half Dome in Yosemite National Park, background of clear sky with some clouds, and foreground of riverside with some trees and a little snowfall thereon.

昔撮影した本物の写真: Yosemite, Tunnel View
b) デスバレー:イメージ通りの結果が得られました。ほとんど本物の写真レベルです。参考までに昔撮影した本物の写真も載せます。イメージに近い結果が得られて驚く次第です。

Death Valley, Salt Flat foreground, Sierra Nevada Mountains in the distance with snowfall thereon, Evening light

昔撮影した本物の写真: Death Valley, Salt Flat
c) 長時間露光:イメージ通りの結果が得られました。ほとんど本物の写真レベルです。参考までに昔撮影した本物の写真も載せます。

城ケ崎海岸、長時間露光、夕焼け、ドラマチックライト、前景に岩、岩の上に花

昔撮影した本物の写真:城ケ崎海岸
d) 次に「深海に咲くサボテン」です。Midjourney、Stable Diffusionにも描かせたので同じPromptを使います。画質は高いですがサボテンらしくありません。Midjourneyの結果が一番いいと思います。得手不得手があるようです。

A photo of Cactus flowers blooming on the bottom of deep sea, some deep-sea fish swimming there,
e) 次に星空です。写真としてのリアリティは高くないですがイラストとしてみればまずまずの結果です。全体のイメージは良いのですがイラスト調です。星空の描写は実物とは異なりいま一つです。やはり得手不得手があるようです。

realistic photo of starry sky in high resolution of 4K or 8K, including foreground of Mt. Fuji, and background of milky way with detailed galaxy and nebula
感想:自分が撮影した写真を一部の生成画像と並べてみると生成画像の品質の高さに感心します。現場に行くことなく、カメラを使わず、シャッターを押すこともなくこのような画像が生成できるということは脅威です。写真家を堕落させるツールであるといえます。半分冗談、半分本気ですが、使うのは人間であり使い方次第です。コンテンツビジネスにおいて生産性が上がるのは間違いないでしょう。
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